私の勝手な俳句を、お一つ

季語もへったくれもない自由律俳句です。俳句にもなっていない標語みたいのも。(m´・ω・`)m

カーナビ

「音声案内を終了します」に、お疲れさん

 

 昔は、いちいち道路地図を確認しながら走っていた遠出のドライブ。今ではカーナビにめっぽう助けられているわけですが、おかしなもので、分かっている道であっても、あの声が聞こえないと何となく物足りない。なもんで、ちょっとした遠出では、必ずといっていいほど作動させています。いつもの聞きなれた声とお決まり文句に心が落ち着くんです。しかも、めちゃくちゃ丁寧で親切。長らくの運転で、ようやく目的地に近づいて、「目的地周辺です。音声案内を終了します」の声を聞くと、ねぎらいの気持ちとともに、ちょっと寂しくなります。

 

七夕

織り姫の 章(あや)成さずして流す涙

 

 古代中国に発する「七夕伝説」の原型は、牽牛と織女の二つの星が、向かい合ったままいつまでも結ばれない、というものだったそうです。それが魏晋の時代になって、二人を隔てる天の川に、年に一度カササギが橋をかけ、そこを二人が渡って結ばれるという話に変化していったとか。『文選』の古詩(其の十)には、牽牛のために一日じゅう機を織っても織物が出来上がらず、涙を流す織女の姿がうたわれています。章(あや)というのは、織物のあや模様のことです。七夕の日に雨が降るのは、ひょっとしたら織女が流す涙なのかもしれません。

 

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真心

過ちに 一生懸命の真心を見る

 

 ずいぶん昔の話で恐縮ですが、テレビのプロ野球中継で、どうしても忘れられないシーンがあります。ヤクルトスワローズがリーグ優勝決定を目前にした試合だったと思うのですが、とにかくこれで雌雄が決するメチャクチャ大事な試合で、しかも終盤に、守備側のスワローズが絶体絶命の大ピンチを迎えたのです。そんな緊迫した状況で、当時1塁を守っていたのが、故・大杉勝男選手でした。

 そしたら、相手バッターが1塁方向にファール・フライを打ち上げたんです。当たりそこないのフライ。そしたら大杉選手、打った瞬間の観客の大きな歓声にも影響されたのでしょう、わーっとばかりに後ろに下がったのです。ところが、実際は本塁と1塁の間に落ちるような何でもない小さなフライ。大杉選手は大慌てで前進したものの、捕れずにつんのめってでんぐり返り。実況していたアナウンサーの呆れたような発言。そしたら、解説の広岡達朗さんがこう言ったのです。「一生懸命なんですよ」

 ふつうに見ればまことにかっこ悪くて滑稽なシーンだったわけですが、私はこの広岡さんの言葉がずいぶん印象に残っています。たしかに大杉選手のあの姿、慌てて後ろに下がったときも、前につんのめったときも、めちゃくちゃ必死さが表れてた。がちがちに緊張して一生懸命さが過ぎてあんなふうになることってありますよね。大杉選手も、ふだんだったら何の問題もなく捕れている球だったはずです。

 かの孔子さまも、「過ちを見て、ここに仁を知る」と言っています。人の過ちにもいろいろあるけれども、その過ちを見てその人の仁徳が分かることがある。たとえば、真面目すぎたり一生懸命やりすぎたりしておかした過ちや失敗は、その表れであることを理解しなくてはならない、って。広岡さんが言った「一生懸命なんですよ」、孔子さまのようにとても素敵で重みのある言葉だと感じました。

 

如雨露

炎天下 草木が待ちわびる雨露(うろ)の如(ごと)

 

 植物などに水をかける道具の「じょうろ」、漢字で書くと「如雨露」。元は「水の噴出」を意味するポルトガル語の「jarra」が語源とされるそうですが、「雨露(うろ)の如(ごと)し」の意味と音が当てはめられています。誰が考えたのでしょう。座布団3枚あげたくなる、絶妙な当て字ではありますまいか。

 

花は自分なりに咲いて美しい

 

 大きくて華やかな花もあれば、小さくて目立たない花もある。多くの人々の目に留まって愛でられる花もあれば、誰にも知られずひっそりと咲く花もある。あの花のようになりたいといって他の花を羨やんだり妬んだりすることもなく、ただひたすらに、自分なりに咲いて輝こうとしている。自我意識などみじんもない。だから、どんな花も美しい。

 

野球

積み重ねて野球 積み重ねて人生

 

 ニューヨーク・ヤンキース松井秀喜さんの上司だったトーリ監督が、かつてこんなことを語っていました。

 ――例えばアメリカンフットボールの場合は、一週間練習に励み、日曜日の午後の試合でエネルギーを一気に爆発させる。一方、6か月に162試合をこなす野球にはペースとリズムが必要だ。毎日立ち向かういくつもの小さな挑戦が積み重なって、それが大きな挑戦になる。

 その大きな挑戦が実を結ぶには時間がかかる。結果が出るのはシーズンの終わりか一年の終わり。ときにはもっと時間がかかることもある。何か月にもわたる成功の日々がつながって、初めてその目標を達成できる。

 目標をしっかり頭に描いて展開する者は、平常心を忘れない。悪い日があるのは当たり前で、良い日はもっと大きな挑戦に向けての土台づくりになると知っているからだ。――

 悪い日があるのは当たり前。つくづく野球と人生って、似ている。だから野球は面白い!

 

初恋

片栗(かたくり)の花がうつむく初恋に

 

 昔は、堅香子(かたかご)と呼ばれていたとされるカタクリの花は、はるか上代の『万葉集』でも、大伴家持によって詠まれています。かってはその地下茎からとれるデンプンで片栗粉が作られましたが、生産量が少なくて高価なため、今ではじゃがいものデンプンで作られています。春に咲く花は、まるではにかむようにうつむいて咲くことから、「初恋」の花言葉がつけられています。