クラシック音楽とオーディオが大好きなblog

とてもゆる~いファンです。悪しからず・・・

もっとアダージョ!

 「アダージョ」は、「くつろぐ」とか「静かに、慎重に」という意味のイタリア語だそうですが、クラシック音楽では「ゆるやかに」という指示、あるいは遅いテンポで書かれた楽章のことですね。かつてそうした曲ばかりを集めた『アダージョカラヤン』というCDが世界的にヒットしましたが、残念ながら私は持っていません。皆さまはどのアダージョがお好きでしょうか。やはりマーラー交響曲第5番のアダージェットあたりが最右翼でしょうかしらね。

 実は不肖私、交響曲や協奏曲を聴くに際して、アダージョの楽章はそれほど重要には感じてこなかったんです。音的に寂しいというか・・・。でも、元オーボエ奏者の宮本文昭さんは、著書の中でアダージョをこのように表現しています。「すべてが吸い取られるような静けさ。足跡がひとつもついていない白い雪の上を、『ああ、なんてきれいなんだろう』と思いながら静かに歩いていく・・・」

 宮本さんは、実はこの解釈は受け売りだと言っています。音楽学校の桐明学園に通っていたとき、音楽理論佐野光司先生に教わったそうです。佐野先生の説明をさらに詳しく紹介しますと、「アダージョはね、しーんとした静けさですよ。僕はあるときスキー場で、雪がおさまった後に外へ出てみたら、夜空に月が完全なかたちで出ていましてね。処女雪が丘一面を覆いつくして、誰もまだ足跡をつけていない。そこをギュー、サクッと一歩一歩ゆっくり歩いていく感覚。それがアダージョ」だそうです。

 こんな言い方をされると、今までアダージョを軽んじていたのが恥ずかしく、また勿体無く思ってきます。ちなみに宮本さんがいちばん好きなアダージョは、モーツァルトの《クラリネット協奏曲》の第2楽章だそうです。死の直前にこの曲を書いたモーツァルトは、自分の死期を悟り、すべてをやり尽くしたという心境だったのではないでしょうか、って。私もこれから、もっと深くアダージョに耳を傾けたく思います。

 

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